堀耳鼻咽喉科クリニックでは、手術術後のフォローアップを大切にしています。
耳の疾患について
慢性中耳炎
Q: 耳漏(耳だれ)が続いています。耳もあまりよく聞こえません。
A: 慢性中耳炎の可能性があります。ご自身で気づいていなくても、若い頃から耳の聴こえが悪い方には、この病気の可能性があります。
耳内の診察や聴力検査など行い、耳漏に関しては薬物治療、聴力の改善が必要であれば鼓室形成術を行います。
真珠腫性中耳炎
Q: 耳漏が長引いています。耳の痛みと、めまいがすることがあります。
A: 真珠腫性中耳炎の可能性があります。進行すると、顔面神経麻痺、髄膜炎、脳膿瘍を起こすこともあります。幼少時に中耳炎を繰り返していた方に多く起こります。
耳内の診察や聴力検査など行い、診断がつけば早期に鼓室形成術を行います。堀耳鼻咽喉科クリニックでは、可能な限り外耳道を自然な形に保ったまま真珠腫を取り除く、外耳道後壁保存で行います。
耳硬化症
Q: 音が聞こえなくなってきました。耳漏や痛みはありません。
A: 耳硬化症の可能性があります。欧米人に多い病気ですが、20代頃から徐々に難聴が進行します。家族性に発症することもあります。
聴力検査やCT撮影などを行い判断しますが、最終的には手術で診断されることもあります。鼓膜の振動を内耳に伝える耳小骨の一つ、アブミ骨を代用骨と交換する手術を行えば、術後90%以上の方に改善がみられます。
顔面神経麻痺
Q: 顔の筋肉がこわばっている状況が続いています。
A: 顔面神経麻痺の可能性があります。目が閉じられない、水を飲もうとしたら口からこぼれてしまう、といった症状も起こります。耳から出ている神経は顔面全体につながっていて、耳と顔面は密接な関係にあります。
顔面を見るだけでも判断はつきますが、MRIを受けていただき、中枢性か末梢性かを判断します。ステロイドの点滴や内服などの薬物治療を行い、改善がみられない場合は顔面神経減圧術を行います。
難治性メニエール病
Q: 眩暈が頻繁に起こります。耳鳴りや耳が詰まった感じがします。
A: 難治性メニエール病の可能性があります。比較的女性に多い疾患ですが、梅雨の時期や天候不順な時、精神的肉体的ストレスが多い時に起こりやすい特徴があります。
眼球の動きを観察し、聴力検査、重心動揺検査を行って判断します。薬の内服で多くの方が改善しますが、繰り返すことが多い病気です。あまり効果がみられない場合、難聴が進行し眩暈も改善されない場合は内リンパ嚢手術など行います。
鼻の疾患について
副鼻腔炎・鼻茸
Q: ネバネバした鼻水・鼻づまりが止まりません。頭が重く、匂いを全然感じません。
A: 副鼻腔炎(ちくのう)の可能性があります。鼻の周りにある空洞「副鼻腔」が炎症を起こして膿がたまり、粘性のある鼻水や鼻づまりを引き起こします。症状が長く続くと頭痛や睡眠障害に発展し、思考能力の低下を招きます。
鼻内の観察、ファイバースコープやレントゲンなどで診断します。薬物治療でも一時的に改善しコントロール可能ですが、根本的な改善または重症の場合は、鼻内内視鏡下副鼻腔手術(ESS)を行います。
アレルギー性鼻炎・肥厚性鼻炎
Q: 水っぽいサラサラした鼻水、くしゃみ、鼻づまりが続いています。
A: アレルギー性鼻炎・肥厚性鼻炎の可能性があります。一般に言われる「花粉症」は、特にスギ花粉などにアレルギーがある鼻炎のことです。
鼻内の観察、血液検査(アレルゲンを調べるため)、レントゲン撮影などで診断します。鼻腔内の粘膜が腫れ、空気の流れが遮断されて鼻づまりを引き起こします。そのため炎症につながることも多く、副鼻腔炎を併発する可能性があります。
抗アレルギー剤の内服やステロイドの点鼻薬を使い治療します。市販されている点鼻薬は血管収縮剤が含まれていますので、長期の使用はあまり良くありません。ステロイドの点鼻薬は長期使用でも副作用はほとんどありませんので、混同されないようご注意ください。
投薬で効果が十分でない場合は、短時間で行える高周波メスによる鼻粘膜焼灼術、重症の方には入院していただき、粘膜下下鼻甲介骨切除や後鼻神経切断術など行います。
鼻中隔弯曲症
Q: 鼻がつまりやすいです。片方だけがつまったり、交互に両方がつまったりします。
A: 鼻中隔弯曲症の可能性があります。成長の過程や外傷などによって鼻の中隔が弯曲し、軟骨の成長が一部均衡を失って櫛を形成します。反射神経症として頭痛・片頭痛がみられたり、高度になれば嗅覚障害を起こすことがあります。
鼻内の観察、レントゲンなどで診断します。アレルギーを伴っている場合は薬物治療を行いますが、軟骨や骨の弯曲は薬では治療できないため、重症の場合は内視鏡下で鼻中隔矯正術を行います(1泊2日程度の入院)。
喉の疾患について
声帯ポリープ
Q: 声がかれて、喉の違和感があります。発声もしにくいです。
A: 声帯ポリープの可能性があります。声帯に炎症性の腫瘤ができ、通常は片側に、まれに両側の声帯にできることもあります。急激な発声が誘因となって、声帯粘膜の血管が破れて内出血を起こし、ポリープを形成するといわれています。
間接喉頭鏡検査や喉頭ファイバースコープ検査で声帯を観察し、診断します。ポリープが出来たばかりの時には自然に消えてなくなる可能性もあり、消炎薬の投与やステロイドホルモンの吸入によってなくなることもありますが、改善が見られない場合は喉頭顕微鏡下手術など行い、ポリープを切除します。
堀耳鼻咽喉科クリニック
(耳鼻咽喉科・アレルギー科・気管食道科)
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